どくどく記 〜読書と独学の記録〜

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『養生訓』古人に学ぶ日々の楽しみ方・8選


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健康的な生活に関心がある。

まあ、実践できているかは別の問題だけれど。

 

江戸時代に書かれた健康指南書である『養生訓』は、座右の本の一つだ。

養生訓 (中公文庫)

養生訓 (中公文庫)

 

 

今回は、この本の中から「日々の楽しみ」について書かれた部分を紹介し、思うところを書いてみたいと思う。

 

「心を楽しませること」は長命につながる

なぜ、健康指南書に「日々の楽しみ」に関する内容が書かれているのだろうか?

著者の貝原益軒曰く、「楽しみの効果は長命となって現れる」からだ。

 

それでは、益軒が説く「心の楽しませ方」とはどのようなものなのだろうか?

『養生訓』には、その具体的な方法も書かれている。

以下がその引用となる。

 

ひとり家にいて、静かに日を送り、古書を読み、古人の詩を吟じ、香をたき、古い名筆をうつした折本をもてあそび、山水を眺め、月花を観賞し、草木を愛し、四季のうつりかわりを楽しみ、酒はほろ酔い加減に飲み、庭の畑にできた野菜を膳にのぼすのも、みな心を楽しませ気を養う手段である。(P.41)

 

この記事では、以上の引用部を少しずつ検討し、現代社会での生活にどう応用できるか考えてみたい。

 

 

1.家でゆっくり過ごす。

最初は「ひとり家にいて、静かに日を送り」の部分だ。

普通、休日を楽しく過ごすには、外へ遊びに行きスポーツなどレジャーに興じることを思い浮かべる。

しかし、益軒はいきなり逆のことを言う。

 

なぜ、益軒はこんなことを書いたのだろう?

『養生訓』の別の箇所には、「心を平静にしておくことが長寿に繋がる」と言う主旨の記述がある。

他人と関わることは、心を乱す。

ひとりでいれば、心は乱れない。

ゆえに、健康のためにはひとりで静かに過ごす方が良い。

 

僕は一人でいることに慣れているし、インドア派なので、この部分は受け入れやすい。

ただ、人によっては「ひとりで家にいて楽しむなんて無理!」と思うかもしれない。

 

 

2.古典を読む、音読する。

次に「古書を読み、古人の詩を吟じ」の部分だ。

現代風に言い直すなら「古典を読む」ということになるだろうか。

比較的わかりやすく、実行している人も多い「楽しみ」だと思う。

 

音読しよう

「詩を吟じる」というのは、現代の日本人にはあまり馴染みがない娯楽のように感じる。

しかし、「音読」ならば学校教育で体験してきているはずだ。

言葉は「文字」のみにあらず。

言葉とは「音」でもある。

良い文学は「音」すなわち「言葉のリズム」としても優れていることが多いのかもしれない。

『声に出して読みたい日本語』のヒットを思い出す。

声に出して読みたい日本語

声に出して読みたい日本語

 

 

詩でなくても、気に入った作品はぜひ音読して楽しむことを取り入れてみたい。

 

古典の価値

ちなみに、この引用箇所では、「古書」「古人の詩」と、二回も「古い」という修飾語が使われている。

明らかに、益軒は、今の人が書いたものより、昔の人が書いたものを読んだ方が、「楽しみ」になると思っている。

これには納得できる理由がある。

 

「古典」は、長い期間、人々に読み継がれたからこそ、現存している。

つまらないもの、価値のないものは、古典として残ることさえ許されない。

だから、古典というのは「多くの人々に受け入れられた実績を持つ作品」であると言える。

 

どうせ時間をかけて何かを読むなら、価値のあるものを読んだ方がいい。

ゆえに益軒は「古書」や「古人の詩」を勧めているのかもしれない。

 

 

3.アロマを焚く。

続いて「香をたき」の部分だ。

現代では「アロマ」と言った方がわかりやすい。

 

「香りは人の感情にダイレクトに訴えかける」という説がある。

だから、リラックスして心を楽しませたい時には、アロマを焚くのが効果的だ。

 

香りには様々な種類があり、それと同じ数だけ違う効果がある。

勉強不足ゆえ詳しく書くことはしないが、興味のある人はググるなりして調べてみてほしい。

僕も関心のある分野であり、いずれ「アロマテラピー検定」を受けるなどして学んでみたいと思っている。

 

ちなみに、この記事もアロマを焚きながら書いている。

使っているのはこれ。

エッセンシャルオイルディフューザー アロモア ライトパープル
 

  

 

4.芸術作品を鑑賞する。

次は「古い名筆をうつした折本をもてあそび」という部分だ。

「名筆」というのは、要するに「書道の作品」のことだ。

僕にはよくわからない分野なのだが、「筆跡の美しさ」を見て楽しむものらしい。

 

現代人がこの一節を応用するなら、書道に限らず「芸術作品全般」のことと解釈していいと思う。

一つの芸術作品の中には、膨大なエネルギーが込められている。

それらの作品とじっくり向き合って、作者の意図やメッセージを読み取ることは、楽しい。

 

僕は、美術館で絵を見ることが好きだ。

特に好きなのはシャガール。彼の独特の色使いや構成を前にすると、身体中が震えた。

できれば、絵の鑑賞から感じたことを正確な言葉に変換し、他人と語り合ってみたいと思ってもいる。これも「教養人」の素養だろう。

だが、現時点ではそのレベルにまで至っていない。今後の課題の一つである。

 

芸術鑑賞の入門にオススメの本

本格的に芸術鑑賞に取り組んでみたい人には、この本をオススメしたい。

観察力を磨く 名画読解

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  • 作者: エイミー・E・ハーマン,岡本由香子
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あるいは、この本も参考になる。

音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書)

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これら二冊については、また別の機会に詳しく紹介してみたい。

 

 

5.自然物を観賞する。

次は「山水を眺め、月花を観賞し、草木を愛し」の部分だ。

ざっくりまとめれば「自然を見て楽しむ」ということだろうか。

 

昔の家屋であれば、広い庭があり、縁側があり、居ながらにして木々や月を眺めて楽しむことができたかもしれない。

マンション暮らしには難しい話だ。

それでも、ベランダに「鉢植え」を置いて植物を育てることくらいはできそうだ。 

 

あるいは、よく晴れた日の夜などは、近所の公園へ出かけて行って、ベンチでぼーっと座りながら月を見上げる。

雲がかかって朧月になるのも、また風情があって良い。

 

こんな楽しみ方なら、21世紀型マンション暮らし日本人でも実行できそうだ。

 

今年の十五夜

ちなみに、今年の十五夜は10月4日だそうです。

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団子を作って食べよう。

火乃国 粉の郷 だんご粉 250g×5袋

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だんご粉 500g

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6.旬の食材を味わう。

次は「四季のうつりかわりを楽しみ」の部分だ。

日本には四季がある。そして、日本人は伝統的に、季節のうつりかわりを楽しむことに長けていると思う。習慣の中に、それが根付いている。

 

一つ前の「自然物を観賞する」に取り組むことでも、四季を楽しむことができる。

春は桜を眺め、夏は涼しい川辺で花火をし、秋の夜長には月を望み、冬は雪を見ながらこたつで丸くなる(それは猫か)。

 

食もまた、季節を楽しむ手段の一つだ。

 

今の季節なら、秋刀魚が美味しくなってくる頃だろうか。

きのこも美味い。バターで炒めるだけで、立派な「季節の味」が完成する。

 

もう少し寒くなってくると、牡蠣が美味くなる。

ウイスキーと一緒に食べる岩牡蠣は最高に美味い。

 

春になれば、筍やふきのとうなどが芽吹いてくる。

天ぷらにすると、新たな季節の滋味を感じられて良い。

 

夏は何と言ってもスイカだ。

風鈴の音を聞きながら、四つ切りのスイカにかぶりつくと、童心に帰ったような気持ちになる。

 

旬の食材は、四季の流れを感じさせてくれるだけでなく、美味いし、栄養価も高い。

普段の買い物でも「今、旬の食材は何かな?」と気にかけてみることで、「四季のうつりかわりを味わう」という楽しみが得られると思う。

 

 

7.酒は適量。

「酒はほろ酔い加減に飲み」の部分。

特に解説はいらないと思う。

 

酒は、気分を高揚させてくれるが、飲みすぎるとろくなことにならない。

吐いたり、頭が痛くなったり、知らないうちに人の家の物を壊したり、失踪した挙句にコンビニのトイレで夜を明かすことになったりする

 

それでも、適量を飲めば楽しい。

酒は飲んでも飲まれるな。 

 

ちなみに

エビオス錠 2000錠【指定医薬部外品】

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一部界隈で有名な「エビオス錠」は、実は二日酔いに効果的だったりする。

効能にも、ちゃんと明記されています。

 

 

8.家庭菜園を作る。

最後は、「庭の畑にできた野菜を膳にのぼす」の部分だ。 

うちの実家は、小さな畑を持っている。

しかし、歳を重ねた夫婦二人暮らしでは、なかなか畑で野菜を育てるところまで手が回らないようだ。結局、畑ごと放置されている。

現代的にこの楽しみを味わおうと思うなら、もう少し、規模を小さくした方がいいのかもしれない。

 

例えば、プランターでハーブを育てて、ハーブティーにしてみる。

あるいは、バジルを育てて、パスタに使う。

これくらいなら、マンション暮らしでも実行できる。

 

「ファミマガーデン」シリーズ

最近、ファミリーマートで、「ファミマガーデン」という野菜やハーブの栽培キットが売られるようになった。

www.family.co.jp

 

これなら気軽に始められる。まずはこんなところから始めてみてはいかがだろうか。

 

 

終わりに:かかる費用について

益軒は、最後にこう述べている。

貧賤の人もこの楽しみならいつでも手に入れやすい。もしよくこの楽しみを知っていれば、富貴ではあるが楽しみを知らない人にまさるといえる。(P.41)

 

これらの「日々の楽しみ方」は、「お金がかからない」というメリットがあるようだ。

 

そこで、もう一度、この記事で挙げた「楽しみ」を振り返ってみる。

  1. 家でゆっくり過ごす。
  2. 古典を読む、音読する。
  3. アロマを焚く。
  4. 芸術作品を鑑賞する。
  5. 自然物を観賞する。
  6. 旬の食材を味わう。
  7. 酒は適量。
  8. 家庭菜園を作る。

 

それぞれ、かかる費用について考えてみる。

  1. 家にいるなら、お金はかからない。
  2. 古典は、書籍代はかかるが、1000円もかければ一流の作品が手に入る。これは素晴らしいことだ。
  3. アロマは、ちょっと先行投資が必要かもしれない。
  4. 芸術作品は、本物を買うならめちゃくちゃ金がかかる。しかし、美術館で買ったポストカードを眺めるくらいであれば、手軽だ。
  5. 自然物は、鉢植えくらいであれば安いものもある。
  6. 旬の食材は、スーパーで手に入る。
  7. 酒は、適量ならば安い。
  8. 家庭菜園は、少し投資が必要になるが、「ファミマガーデン」のようなものなら手軽だ。

 

確かに、あまり費用はかからないようだ。

 

休日をどんな風に過ごそうか迷ったら、時には『養生訓』のような古人のアドバイスに耳を傾け、昔ながらの「日々の楽しみ方」を実践してみてはいかがだろうか。

 

 

養生訓 (中公文庫)

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養生訓・和俗童子訓 (岩波文庫)

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