どくどく記 〜読書と独学の記録〜

読んだ本の記録と、独学のアウトプット。現在は世界史の勉強中。

『アッシリア語入門』受け継がれし「世界帝国」の記憶。日本仏教への影響も!


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こんな本があったのか。

アッシリア語入門―現代アラム語

アッシリア語入門―現代アラム語

 
古代の歴史ロマン10 ネオ・アッシリア語入門(ネオ・アラム語)

古代の歴史ロマン10 ネオ・アッシリア語入門(ネオ・アラム語)

 

 

 

挨拶が遅れましたが、燐太郎(@redphos15)です。

今回は、ちょっとマニアックなネタで。

 

1.アッシリアとは?

「アッシリア」という文明をご存知だろうか。

世界史を履修していれば「圧政敷いたアッシリア(宗教弾圧をして滅んだ)」のような語呂合わせを思い出せるだろう。

 

(1)略史

アッシリアは、かつてメソポタミア地方(現在のシリア・イラクあたり)に栄え、一時期はエジプトにまで版図を広げ、オリエント(メソポタミアとエジプト)において初めて「世界帝国」を形成した、とされる文明だ。

発掘された首都ニネヴェの図書館には、アッシュール・バニパル王が収集した無数の粘土板文献が所蔵されており、その中から有名な『ギルガメッシュ叙事詩』が発見された。

このあたりまでが高校世界史の知識。

 

(2)ゲームに登場するアッシリア

そんなアッシリア文明を、Civilization5ではプレイヤーとして使うことができるのだ。*1

これには胸が踊った。やるしかない。

 

しばらくアッシリアプレイを楽しんだところで、ふと「少しアッシリアについて調べてみるか」と思い立った。

とは言っても、ガチで体系的な勉強するわけではなく、あくまで「ゲームを面白くするスパイス」として、トリビア的な知識を増やしておこうと思ったのだ。

図書館へ出かけ、検索機に「アッシリア」と入力したら、上記の2冊が出てきた、というわけだ。

 

2.書籍『アッシリア語入門』『ネオ〜』の紹介

『アッシリア語入門』と『ネオ・アッシリア語入門』という2冊の本。

ネオ・アッシリア語という言語があるわけではなく、どちらもアッシリア語についての解説書だ。

この2冊、著者が同じであり、内容の大筋もほとんど変わらない。

  1. アッシリア語(アラム語)の歴史について
  2. 文法について
  3. アッシリアの歴史について

概ねこのような構造で書かれている。ほとんど同じ文章が使われたりもしている。

(まずいないとは思うが)アッシリア語に興味があり、どちらか1冊買おうと思っている人は、出版年が新しい『ネオ・アッシリア語入門』をオススメする。

 

今のところ、僕はアッシリア語を学ぶつもりはない。さすがに言語習得の負担が大きすぎるし、正直役にも立たない。

しかし、ロマンには溢れている。定年後の趣味にするのはいいかもしれない。

 

 

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これは、ギリシア語が書かれたエジプトの「ロゼッタストーン」。本当は、古代アッシリア語(=アッカド語)が書かれた「ベヒストゥーン碑文」を載せたかったが、いつも使っている素材サイトには画像がなかった。 

 

3.読書から学んだアッシリアに関するトリビア

(1)「アッシリア」という名前について

  • 人々が信仰していた太陽神・アッシュールから命名。
  • アッシュールは、首都の名前にもなっている(のちにニネヴェへ遷都)。先述の王の名前にも。
  • アッシュール神は、イラン(ペルシア)へ伝わって「光の神・アフラ神」になり、インドへ伝わって「悪魔・アスラ神」になり、そして、日本へ伝わって「阿修羅」になった(ロマン溢れる話である)。

 

(2)アッシリア人について

  • なんと現代にも「アッシリア人」は存在している。
  • 現代アッシリア人はコーカサス地方などに住んでいる。
  • 民族宗教として「キリスト教ネストリウス派(景教)」を信仰している。
  • ただし、古代アッシリア人との血統的な繋がりがあるかは不明。

 

(3)古代世界のアッシリア人について

  • かつてのアッシリア国は、実は紀元前2000年頃から存在した。
  • アッシリアは、独立を保ったり、他国に服属したり、逆に他国を服属させたり、という歴史を繰り返してきた(古代オリエントは結構な群雄割拠時代だったようだ)。
  • オリエント初の「世界帝国」として君臨したのは紀元前8〜7世紀頃(これが世界史の教科書に主に登場する部分)。

 

(4)「帝国」後のアッシリア人について

  • 「帝国」滅亡後も、アッシリア人はメソポタミアに住み、キリスト教の受容後はネストリウス派を信仰していた。
  • イスラームの支配下でも信仰を保ったが、ティムール帝国、オスマン帝国による弾圧から逃れて「隠れキリシタン」化。
  • 以後、中東を中心とするアッシリア人居住地域で命脈を保ち続けている。
  • 19世紀頃にアメリカへ移住したアッシリア人コミュニティもある。

 

(5)アッシリア語について

  • 「古代アッシリア語」は「アッカド語」のこと。
  • かつては楔形文字で書かれていたが、次第にアラム文字による表記に変わった。
  • また、アラム語が国際公用語として使われるようになった(この時点でアッカド語は事実上消滅なのか?)。
  • 現代に受け継がれた「アッシリア語」は結局「アラム語」のこと。

 

(6)アラム語について

  • 「アラム語」は、現代に至るまでほとんど変化していない珍しい言語。
  • 古代オリエント世界の国際公用語(現在の英語のようなもの)だったが、イスラームの勢力が拡大してからはあまり使われなくなった。
  • 言語系統は「セム語系」で、「アラビア語」や「ヘブライ語」と類似している。
  • セム語系共通の特徴として、横書きで右から左へ読む。
  • アラム文字は「アラビア文字」と「ヘブライ文字」を足して2で割ったような形をしている。
  • あのイエス(キリスト)もアラム語で話していた可能性が高い。

 

誰が得するんだこのまとめ……。

今回は以上です。

 

*1:ついでに言うと、Civ5にはバビロニアもあるし、フンもあるし、シャム(タイ)もある。すごい。スキタイも使いたかったが、これはCiv6で登場する。