どくどく記 〜読書と独学の記録〜

読んだ本の記録と、独学のアウトプット。現在は情報セキュリティの勉強中。

『大人のための国語ゼミ』など。今週の立ち読み本のまとめ


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燐太郎(@redphos15)です。

今週も、本屋で立ち読みして気になった本をまとめていきます。

  

1.歴史系

(1)大航海時代の地球見聞録 通解「職方外紀」 

大航海時代の地球見聞録 通解「職方外紀」

大航海時代の地球見聞録 通解「職方外紀」

 

この本は、いわゆる「大航海時代」の終わり頃、すなわち17世紀に書かれた書物。

当時の人々が見聞きしていた、あるいは思い描いていた「地球」各地の姿が書かれている。

 

ざっと目次を眺めてみて、不思議に思ったのは、アジア、ヨーロッパ、アメリカの他に、なぜか「リビア」が独立した章で記述されていたこと。昔は、アフリカ大陸のことをリビアと呼んでいたのだろうか? そんなことはないと思うのだが……。

この点は、本を読んでみないとわからない。

 

また、「アフリカ内陸部」についての記述はない。当時はまだ探検がなされていなかったからだ。その内情が歴史の舞台に現れてくるのは、19世紀を待たなければならない。

この「書かれていない」という点にも歴史を感じて、ワクワクしたのであった。

 

立ち読みの魅力

この本は、以前から置いてあったかもしれない。しかし、今週に至るまで「発見」することはできなかった。なぜだろう?

僕は現在、世界史の学習プランを変更して、「大航海時代」を起点に歴史の軸を作っていく作業をしている。

ちょうどそんな状況で、関心が「大航海時代」に向いていたからこそ、この本を「発見」できたのだと思う。

 

立ち読みの面白さはここにある。

同じ書店を、同じように回ったとしても、「お、これは!」と気になる本は毎回違う。

それは必ずしも「新刊だから」というわけではない。

「既刊の、ずっと置いてあったはずの本」が、あるとき突然、自分の意識の中に出現することがある。「立ち読み」というプロセスに、その時々の自分の興味・関心が反映されているからだ。

僕が「立ち読み」記事をまとめているのは、自分の関心の変遷を記録していきたい、という動機も働いている。

 

 (2)地中海世界とローマ帝国

興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国 (講談社学術文庫)

興亡の世界史 地中海世界とローマ帝国 (講談社学術文庫)

 

本書のメインテーマは後半の「ローマ帝国」なのだろうが、僕はむしろ前編の「地中海世界」の方をじっくり立ち読みした。

具体的には、アッシリア帝国について。最近、妙にこの文明が気にかかる。惚れたかもしれない。

 

アッシリアは、普通「初めて出現した世界帝国」と呼ばれる。

これは、メソポタミア世界とエジプト世界という2つの異なる世界を、1つの文明が支配下に置いたからだ。

しかし、著者の本村氏からすると、アッシリアは「世界帝国」とは呼ぶには値せず、ローマこそが「初めての世界帝国」であるらしい(本村氏がそのように考える理由の部分は忘れてしまった。要確認)。

 

では、世界史にとってアッシリア帝国とは何だったのか?

著者曰く、アッシリアは、ローマ帝国にも受け継がれる「世界帝国」のモデルを確立した文明、と位置付けられる。

具体的には、属州制度。言わずと知れた、ローマ帝国の有名な統治制度だ。

僕はこれを、ローマ帝国が発明した独自の制度だと思っていたが、どうやらその原型となる制度がアッシリア時代に作られていたらしい。

……そう言われてみると、『アッシリア語入門』にも同様のことが書かれていたような気がする。読み込みが浅かったな。

    

 

2.勉強法など

(1)大人のための国語ゼミ

大人のための国語ゼミ

大人のための国語ゼミ

 

論理の役割がよくわかる本。

この本の内容を体得すれば、文章を正確に読むことができ、また、自分の考えを論理的に表現できるようになると思う。

人の話を正確に聞けるようにもなる……かもしれないが、この点の効果はあまり期待しない方がいい。理由は簡単で、論理的に話している人が少ないからだ(だからこそ、論理的に話せるようになれば、一目置かれるようになるかもしれない)。

 

僕は、野矢氏の本では『論理トレーニング101題』に取り組んだことがある。

その内容を十分に消化・活用できているかはわからないが、以前に比べて、自分の考えを迷いなく伝えることができるようになった、とは感じている。

『論理トレーニング」は、「とにかく問題を解け! 話はそれからだ」というスタンスだった。一方、『大人のための国語ゼミ』では、問題数はそこそこに、むしろ丁寧な解説にページ数が割かれている。

どちらが好みかは、人によって分かれると思う。

 

あるいは「速読をしたい人」にも向いているかもしれない。

逆説的だが、ゆっくりと正確に文章を読み、理解できるからこそ、速く読めるようにもなるのだと思う。

なぜなら、文章の中の「論理的な構造」を読み取れるようになることで、「読むべき箇所」と「読み飛ばして構わない箇所」を見分けられるようになるからだ。

 

文章の基本構造

文章は、

  • Aである。(主張)
  • なぜならBだからである。(根拠)
  • よってCである。(帰結)

これが骨組みになっている。

主張(A)  があり、根拠(B)があり、1つの主張(A)から帰結として導き出される別の主張(C)がある。

文章は、この3つの要素が複雑に組み合わさって、成り立っている。

他の部分はオマケだ。単なる装飾だったり、音のリズムを整えたり、説得力を高めたり、様々に機能を持ちはするが、重要度は低い。

「主張」「根拠」「帰結」の部分だけ読んでいけば、全部読まなくても本の大意は取れる。当然、速く読めるようになる。

 

(2)考える力を鍛える「穴あけ」勉強法

考える力を鍛える「穴あけ」勉強法: 難関資格・東大大学院も一発合格できた!

考える力を鍛える「穴あけ」勉強法: 難関資格・東大大学院も一発合格できた!

 

この本は「立ち読み」では済まずに購入した。本来は、図書館で借りて気に入ったら購入、という段階を踏むことにしているが、妙に気に入ったのでつい買ってしまった(そうなると「立ち読み」の記事に載せるのはおかしいな……まあせっかく書いたのでこのまま載せる)。

多忙な中で独学に取り組みたい社会人へ特にオススメしたい本。

理由は以下の通り。

 

何をすればいいか明確である

仕事で疲れていると、「複雑な勉強法」に取り組む気力が起きにくい。

例えば、使う道具がやたら多かったり、勉強の手順やタイミングが厳密に決められていたりすると、勉強を始める以前にやる気がなくなってしまう。

 

一方、「穴あけ」勉強法のやり方はとても簡単だ。

  1. 覚えたい内容を簡単な文章にする。
  2. 文章の中で重要と思う部分を「穴」にして、ノートに書く。(解答も付しておく)
  3. 電車の中などでノートを開いて、「穴あけ」箇所を思い出し復習する。

出版社のブログで「穴あけ」ノートのサンプル画像を見ることができるので、参照してみて欲しい。

soshishablog.hatenablog.com

ペンとノート、それから文章の元ネタとなる教材があれば、いつでも「穴あけ」ノート作りができる。とにかくノートを開き、文章に「穴」を開けながら書き写せばいい。

簡単だ。

この明瞭簡潔さは、多忙な社会人向けだと言える。

 

隙間時間を活用して勉強できる

「隙間時間を活用できる」という点も魅力的だ。

勉強というと、「机に向かって、何時間も集中して」と思いがちだ。確かに、まとまった時間じっくり取り組む勉強法にもメリットはあると思う。しかし、勉強を開始するハードルはどうしても上がってしまう。

 

その点、「穴あけ」勉強法では、ノートさえを作ってしまえば、数分間でも勉強ができる。

場所も選ばない。激混みの通勤電車内であっても、立ったままノートを読むくらいはできるだろう(それすら不可能な場合もあるが…)。

また、この「穴あけ」ノートは、完成させる前に使い始めることができる。ノートを作り始めたら、どこにでも持ち運び、随時学習できるので、効率がいい。

 

高い学習効果が期待できる

一般的に、「何度も読む」だけより、「何度も思い出す」方がはるかに高い学習効果が期待できる。 

この「穴あけ」勉強法では、ノートを見るたび、重要な箇所を思い出さなければならない。よって、ただ教材を繰り返し読むより、はるかに効率よく記憶できるものと思われる。

 

さらに、「穴あけ」箇所を作る際、一度じっくりと教材の内容を向き合い、「どこが重要だろう?」と考えることになる。これも、記憶を定着させる上で効果的なプロセスになる。

なんとなく表面的に覚えるより、内容をしっかり把握してから頭の中に格納した方が、記憶に残りやすくなる。 

 

 

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3.ビジネス書系 

(1)9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

 

タイトルと目次だけで、言いたいことがわかる本。

「変化の早い時代で生き残るためには、どのような方針で人生戦略を組み立てるか、日々の仕事に取り組んでいくべきか」……こんなことについて書かれているのだろう。

以下、目次を引用する。

  1. 権威より創発
  2. プッシュよりプル
  3. 地図よりコンパス
  4. 安全よりリスク
  5. 従うより不服従
  6. 理論より実践
  7. 能力より多様性
  8. 強さより回復力
  9. モノよりシステム 
(ジェフ・ハウ、同書より)

現代が「変化の早い時代」「不確実な時代」であるという認識を共有していれば、この目次を読むことで著者の言いたいことが想像できるし、著者に賛同できそうだ、とも感じる。

例えば、こんな記述があると予想できる。

  • 「変化の早い時代」において、権威に従って古いやり方に固執していれば、変化についていけない。創意工夫してこそ、変化に対応できる。
  • また、創意工夫することは、失敗するリスクを孕んでいる。しかし、安全策を取っていては創意工夫ができない。変化に対応するためには、リスクを取らなければならない。
  • 地図を開いて行き先を調べるように、前もって人生の行き先を決めて、そこに向かう最短距離を進もうとしても、今の世界においては難しい。変化の速さのため、環境が変わってしまうことがあるからだ。むしろ、あたかもコンパスを使って常に一定の方角を目指していくように、目指すべき方向性を決め、常にその方角へ進むようにした方が、最終的にはより良い場所にたどり着けるだろう。
  • 「不確実な時代」に起こりうる急激な変化を乗り切るためには、一つの能力に秀でるより、むしろ様々なことに対応できる多様性を持つことが重要。
  • 「不確実な時代」では、どうしても予期できないダメージを負ってしまうことがある。それは避けられないものとして受け入れ、むしろダメージを受けた時いかに回復できるか(=レジリエンス能力)が大切になる。

大体、こんな内容だろう。正確ではないかもしれないが、大筋は外していないと思う。

 

気になる本ではあるし、余力があれば読んでみたいと思う。しかし、「まったく未知の知識」は少ないことが予想される。後回しにせざるを得ない。「読まなくていい本を読まないこと」も、読書術の要諦の一つ。

 

問題はむしろ
  • なぜ、現代は変化が早くなったのか?
  • なぜ、現代は不確実なのか?

これらの点について、僕はうまく説明できない。もちろん「読み聞いた知識」としては知っているが、自分の言葉で他人に教えることは難しいだろう。

これは解決すべき課題だ。そのことに気づけたのは収穫だった。

 

(2)ビジネスマンへの歌舞伎案内  

ビジネスマンへの歌舞伎案内 (NHK出版新書)

ビジネスマンへの歌舞伎案内 (NHK出版新書)

 

僕は、成毛氏の本に関しては、好きな本と嫌いな本がハッキリ分かれている。これは、好きな本に入る。

著者は、この本で「30代のビジネスマン」に歌舞伎を勧めている。

主な理由は2つ。「教養のため」と「リラックスのため」だ。

 

教養のための歌舞伎

ヨーロッパにおいて、教養とは、伝統的に「社交」のためのものだ。単に知識の量が多いだけでなくて、文化的なテーマに通暁し、知的な会話に参加できることが、教養人の条件になっている。

だから、ヨーロッパの教養人はオペラを見に行く。オペラは「文化的なもの」とされているからだ。

そして、外国の教養人と仕事をするなら、こちらもある程度の教養を身につけておく必要がある。さもなくば「つまらない人間」と思われ、いい仕事に繋がらない。

日本でオペラに対応するものと言えば歌舞伎だ。だから、歌舞伎は必須科目だと言える。また、歌舞伎は外国人ビジネスマンの接待にも使える。

 

ところで、仕事の場で教養の有無が重要になったり、あるいは、歌舞伎を使うような接待が実際に必要になるのは、30代ではなく、もっと年齢を重ねた頃かもしれない。

しかし、若い頃から親しんでおかないと、歌舞伎のことを深く理解できない。だから、始めるなら30代から……このような主張だ。

納得できる。国際的な舞台で仕事をしてきた人が言うのだから、そうなのだろう。

 

リラックスのための歌舞伎

僕は歌舞伎を見たことがないのでピンとこないが、生で見る歌舞伎は楽しいらしい。

成毛氏曰く、歌舞伎は「フェス」だ。

どういうことかと言うと、バンド単体のライブでは様々な決まり事があるが、フェスでは自由な楽しみ方ができる。まさにそれと同じように、歌舞伎は自由に楽しめる。だから気晴らしになり、リラックスできる、ということらしい。

 

また、歌舞伎は昔から同じ演目が行われ続けている。そして、今後も変化しないだろう。

だからこそ、30代の頃から歌舞伎に親しんでおくことで、年齢を重ねて改めて同じ演目を見たとき、「この部分にはこんな意味があったのか!」と気づける、そのことで己の成長を確かめられる……そんな楽しみ方もある。なるほどなぁ、と思った。

 

 

4.その他

(1)漢詩を読むシリーズ 

漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ

漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ

 

漢詩を読むのは結構好きだ。

高校の図書館で、確か『文選』を読んで以来、なんとなく好きになった。何と言っても「音のリズム」がいい。内容は、よくわからないこともあるが、漢字を見て想像すれば一応楽しめる。

ただ、好きなことは好きなのだが、積極的に読み漁ったわけでもなく、体系的に学んだこともない。それどころか、本の1冊すら持っていない。だから、自分の漢詩の本が欲しいとずっと思っていた。

岩波文庫の『中国名詩選』を買おうか迷っていたが、「収録数が多すぎる」「解説が短すぎる」と思って、結局買わずにいた。

 

その点、この『漢詩を読む』シリーズはバランスがいい。詩の数は多すぎないし、解説もしっかりついている。このシリーズで漢詩への理解を深めてから、『中国名詩選』へ進むと良さそうだ。

今は漢詩に取り組む余力がないが、とりあえず図書館で『漢詩を読む』シリーズを探してみるくらいはしてもいいかな。

 

(2)原点 THE ORIGIN(安彦良和)

原点 THE ORIGIN

原点 THE ORIGIN

 

ガンダムの漫画を書いている安彦氏へのインタビュー本。

彼は、ガンダムに込めた「裏のテーマ」について「人間はわかりあえない」と語っている。

そして、「だから、みんな敵だ」でもなく、「なぜ、わかりあえないんだ」と嘆くのでもなく、「わかりあえなくて当たり前だ」と受け入れ、それを立脚点にして「わかりあおう」とすること、これが大切なのだと。

僕はガンダムという作品が大好きだが、その理由が少しわかった気がした。

 

 

 

以上、8冊の紹介とちょっとしたメモでした。

結構これ、大変ですね。お休みする週もあるかもしれません。

それではまた次回。