どくどく記 〜読書と独学の記録〜

読んだ本の記録と、独学のアウトプット。現在は世界史の勉強中。

世界史を「大航海時代」から学び始める3つのメリット


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こんにちは、燐太郎(@redphos15)です。

相変わらず「大航海時代」の話を続けていきます。

 

ところで、世界史を「大航海時代」から学び始めるのって、結構アリなんじゃないかな、と思うようになりました。

その理由を3点挙げて説明していきます。

 

 

1.登場する国家が現代の世界と似ているから

知らない用語ばかりの古代世界

高校で世界史を履修した方なら共感してもらえると思うのですが、世界史の教科書の最初の方に出てくる国や民族って、現代の僕たちには全く未知のものばかりです。

特に「古代オリエント」から学び始めると、「知ってる国が1つもない!」という状況に陥ります。

  • シュメール
  • アッカド
  • ヒッタイト
  • フェニキア人
  • アラム人 

こんなの、現代日本で普通に生活していたら、まず耳にしません(Civilizationシリーズをプレイしていれば別ですが)。

「ギリシア」や「ローマ」まで来て、やっと身近になるかな、というレベル。

でも、これらの国々も「現代のギリシア」「現代のローマ(イタリア)」とは全く違います。

かつてのギリシアは、いち早く哲学が栄えた先進国でしたが、今のギリシアは「なんか経済がやばい」くらいの印象しかありません(失礼)。

ローマについても、イタリアの首都としてローマという都市が残っているものの、地中海をも包み込む大帝国にまで発展したあの偉大な「ローマ帝国」の後継国がイタリアなのかと言われると、うーん、どうなんだろう……。ちょっと判断に迷います。

 

ともかく、世界史の教科書を最初から順に学んでいると、「なんかよくわからん民族が、なんかよくわからん国を建てて、なんかよくわからん制度を作って、なんかよくわからんうちに滅んだ」という「なんかよくわからん地獄」が続いてしまうのです。

ですから、古代オリエント、古代ヨーロッパをどうにか学び終えて、古代中国に進む頃にはすっかりバテてしまい、「世界史ってわけわからんし、めんどくさい!」ということになりかねません。

 

割と身近な「大航海時代」

その点、「大航海時代」の「主役」として登場する国々は、身近なところばかりなんです。

  • ポルトガル
  • スペイン
  • オランダ
  • イギリス

どれも有名な国ばかりです*1

それぞれの国の形も、現在の世界と非常に近い。オランダが元々スペイン領だったりと、ちょっと違う点もあるのですが、大体同じと思って差し支えないかと思います。

 

これらの国々が進出していく地域については、現在の形とは異なる点もありますが、少なくとも「現在の世界に直接つながる時代」だったと言えます。

例えば、アメリカ大陸。

当時は「アステカ帝国」や「インカ帝国」が栄えていましたが、スペインに滅ぼされ、現在はどちらも残っていません。

しかし、スペインが植民地化を進めた結果、特に南アメリカでは今でもスペイン語が公用語になっている国が多い。これは明らかに「大航海時代」の名残です。

 

あるいは、東南アジア。

ポルトガルやオランダは、現在の「インドネシア」に進出しましたが、当時はまだ「インドネシア」という国はありませんでした。

しかし、オランダによる植民地支配を経て、スマトラ島、ジャワ島、ボルネオ島という別々の地域が「インドネシア」という1つの国にまとまっていくのです(それ以前にも「イスラーム圏」という共通点はありましたが)。

また、スペインが進出してやはり植民地化した「フィリピン」は、この植民地化を機に「歴史」の中へ登場して来ます(それ以前の歴史は断片的にしか伝わっていないそうです)。

 

このように、「大航海時代」には、現代人でも知っている国が多く登場してきます。

ですから、「大航海時代」から世界史を学び始めれば、古代の世界に登場する「わけわからん国家群」と格闘して世界史が嫌いになることを、とりあえず回避できます。

これが、世界史を「大航海時代」から学び始めるメリット・その1です。

 

 

2.登場する国・出来事が多すぎないから

複雑すぎる近代世界

ここまで読んで、「現代につながる時代から学び始めた方がいいと言うなら、もっと現代に近い時代、例えば『近代』から始めればいいんじゃないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

理屈は正しいです。しかし、世界史初学者が近代から学び始めるのは、実に難しいのです。

これも、世界史を履修した人なら共感してもらえるのではないかと思いますが、近代、すなわち19世紀以降の世界史って、世界のあちこちで同時にいろんな出来事が起きまくって、やたら複雑なのです。

全世界規模で近代を眺めると、この時代は「西欧諸国が世界中に植民地を獲得して行く時代」と説明できるのですが、「大航海時代」と違って本当に「全世界」に及ぶのです。アフリカ内陸部、中東、中国も含めて。片っ端から覚えようとしても、頭がパンクします。

一方、16〜18世紀の「大航海時代」において、西欧諸国が進出した「世界」とは、上記の通り「アメリカ大陸」と「東南アジア」くらいでした。他に、イギリスが「インド」に進出しましたね。

アフリカの内陸部はまだ「手付かず」でしたし、中東には「オスマン帝国」が鎮座していた。中国は明・清帝国が勢力を保っており、沿岸部の租借も始まっていません。

 

割とシンプルな「大航海時代」だが注意点も

近代と比べ、「大航海時代」は、現代につながる要素が多い時代でありながら、比較的シンプルな時代だと言うことができます。

それゆえ、世界史の初学者には「とっつきやすい」のではないか、と思います。

これが、世界史を「大航海時代」から学び始めるメリット・その2です。

 

ただし、注意点があります。

実は、「大航海時代」の裏側で、ヨーロッパでは「宗教改革」や「主権国家の形成」という、非常に複雑な出来事が進行しているのです。

「太陽の沈まぬ国」と呼ばれたほどの大国・スペインが没落し、代わってオランダやイギリスが覇権国になっていく背景には、「宗教改革」絡みのヨーロッパ諸勢力間の対立があるわけです。

この対立の過程で、現代の国家にもつながる「主権国家」が形成されていきます(ここでは主権国家についての説明は省きます)。

理想的には、このような背景をしっかり学んだ上で、西欧諸国の世界進出の動きを追った方がいいのです。

しかし、やはり初学者にはきついものがある。

思い切って、ヨーロッパの内情に関しては最初は無視してしまっていいのではないか、と思います。世界史に慣れたら挑んでみてくださいね。

 

 

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3.現代の世界を分析する観点が得られるから

一体化する世界

「大航海時代」は、「世界の一体化」が始まる時代、と説明されることが多いです。

つまり、「遠く離れた地域」との「経済的な結びつき」が生まれていく、ということです。

 

それ以前は、例えば海域世界について言えば「地中海世界」「インド洋世界」「南シナ海世界」のように、いくつもの「世界」が分かれて存在していました。

それぞれの世界の間に交流はあったものの、その規模は比較的小さかった。

交流の規模が一気に大きくなるのが、「大航海時代」でした。

そして、現代という時代は「一体化した世界」の延長上にあります。

「グローバル化」というのは、要するに「世界がめちゃくちゃ一体化しまくった状態」ということです。 

 

学ぶ意義を見いだせる時代

世界史を「つまらない」と感じる理由の1つが、「こんなこと覚えて何か意味あるの??」と感じることです。

確かに、古代オリエントの国々の制度を細かく覚えても、「豆知識」くらいにしかなりません(ハマれば面白いのですが)。

その点、「大航海時代」は、現代に続く「一体化」が始まった時代ですから、勉強する「意義」というものを見出しやすいのです。

1つ、例を挙げて説明してみますね。

 

「交通の要衝」の例

ポルトガルとマラッカ海峡

ポルトガルが東南アジアに進出する際、貿易を有利に行うため、「マラッカ海峡」という「交通の要衝」をまず抑えにかかりました。

「交通の要衝」とは、「ほぼ確実にそこを通らないといけない」という地点のことです。

変な例えですが、朝、学校の校門の前に先生が立っているのは、校門が「交通の要衝」だからです。登校する生徒は、ほぼ必ず校門を通るとわかっていますから、先生は校門を「抑えて」いるのです。

 

「交通の要衝」という観点で現代の動きを見る

さて、かつてポルトガルが行ったように、「交通の要衝」を抑えようとする動きは、現代の世界でも見られます。

例えば、アフリカとアラビア半島の間にある「ソマリア沖・アデン湾」は、「交通の要衝」の1つです。

この「ソマリア沖・アデン湾」という地点は、アジアとヨーロッパを行き来する貿易船の多くが通行します。

そして、その貿易船を狙って、海賊が活動しています。

 

平成22年から、自衛隊が「ソマリア沖・アデン湾」に派遣されています。ニュースで取り上げられることも多いのでご存知かと思います。

東アジアの国である日本の自衛隊が、遥か遠くの「ソマリア沖・アデン湾」に派遣されて海賊対策の活動をしているのは、この地域が、日本がヨーロッパと貿易を行うための「交通の要衝」になっているからです。日本にとっても他人事ではない、ということです。

 

現在、「ソマリア沖・アデン湾」という「交通の要衝」は、海賊勢力が一定の力を持っています。

この勢力は、アジア−ヨーロッパの「善良な」国際社会の貿易を妨害しています。

ですから、国際社会が力を合わせてこの地域を安全な海にすれば、もっと貿易が盛んになるでしょう。

つまり、「交通の要衝」を抑えれば、貿易の量を増やすことができ、より「儲け」が多くなる、ということです。

これが結論です。

少し長い話になってしまいました。*2

 

まとめ

「大航海時代」に話を戻しますと、ポルトガルが「マラッカ海峡」を抑えたのは、自国の船による貿易を保護し、他国の貿易を妨害するためです。そうすることで、ポルトガルの利益を増やそうと考えていたのです。

世界史の中から学び取った考え方や行動は、現代の世界にも通用するし、実際に行われている、というのが先ほどの「ソマリア沖・アデン湾」の話の趣旨でした。

 

学ぶ意義を見出せると勉強に集中できる

こんな風に、現代の世界に応用できる知識が得られると、世界史を勉強する「意義」というものが見える気がしませんか。

もちろん、意義なんてなくても勉強できる人もいるのでしょうが、僕は「何のために勉強するのか」がはっきりしていないと、あまり勉強に集中できないのです。

学ぶ意義を見出せないと、世界史は、単なる「量の膨大な暗記科目」になってしまいます。初学者にとってはこの上ない苦行です。

ですから、勉強に「意義」を求めてしまうタイプの人で、これから世界史を学んでみたいと思っている人は、ぜひ「大航海時代」から始めてみてください。きっと、古代から始めるより「面白い!」と思えるはずです。 

これが、世界史を「大航海時代」から学び始めるメリット・その3です。

 

 

以上、世界史を「大航海時代」から学び始める3つのメリットに関する記事でした。

お酒飲みながら書いたので、ちょっとわかりにくいところもありますね。

そのうち文章を整えますが、とりあえずこんなもので。

最後までお読みいただいてありがとうございました。

 

*1:むしろ、これらの国々は「大航海時代」に活躍したからこそ、今でも有名なのだ、というのが真相かもしれません。

*2:ちなみに、「ソマリア沖・アデン湾」での海賊の活動は低調になってきているようです。多い時では1年に200件以上もあった「海賊等事案」が、現在では1桁にまで減っています。ソマリア沖・アデン湾における海賊問題の現状と取組 | 外務省