どくどく記 〜読書と独学の記録〜

読んだ本の記録と、考えた事のアウトプット。

本を買いすぎる人のための「本の買い方」を検討する・2

 

前回の記事

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必要な本はすでに持っている

すでにたくさんの本を所有しているなら、おそらく、「新しく読んだ方がいい本」の数よりも、「再読したほうがいい本」の数の方が多いと思う。

本は、1度読んだだけではその内容をよく理解できたとは言えない。

1回目には、その本の概略がわかるだけ。

2回目で、ようやく著者の言わんとすることを掴めてくる。

3回目以降は、細かなニュアンスまで気を配りながら読書を楽しむことができる。*1

 

本を次から次へと買ってしまう人は、好奇心が強いのだと思う。彼らの目は未来へ向いており、新しいことを探し求める。そう思えば、好奇心とは素晴らしい美徳に思える。

しかし、その正体は不安感かもしれない。「今の自分に足りないもの」を意識しすぎて、それを埋めようとして本を買いたくなるのかも。*2

 

メーテルリンクの「青い鳥」の話のように、今の自分にとって本当に大切なものは、「すでに身近にあるもの」なのだと思う。

本当に大切な知識とは、実際のところ、そんなに多くないように思われる。本を買う量に悩むほどの人ならば、その人にとって大切な本は、すでに蔵書の中にあるはずだ。

今持っている大切な本の内容を、より深く、より精密に理解する方が、新しい本を買ってざっくり読み流すよりも役立つのではないか。

新しい本、新しい知識を求めたくなったら、まずは「今持っている大切な本」のことを思い出してみよう。

 

やはり定期点検がおすすめ

大切な本のことを思い出す、とは言うが、具体的にどうすればいいのか。

答えは「定期点検」だ。 

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時々でいいので、今持っている本の全てをチェックする。

ざっとタイトルだけ眺めるのではなくて、1冊ずつ手にとって、その本が自分の蔵書の仲間入りをした時のことを思い出してみる。

中身を見たければ、少しだけ読んでもいい。とは言え、そのまま読みふけってしまうと、蔵書全てをチェックし終えることができない。

読み続けたくなった本は別によけておいて、一通り点検を終えてから読む。

 

このような点検をしていくと、

「なんだ、自分も案外、いい本をたくさん持っているじゃないか……」

「この本の内容は理解したと思っていたが、あまりわかっていなかったな……」

などと気づくことができる。「新しい本」に感じる魅力が相対的に低くなって行き、買い求める必要性をさほど感じなくなっていくはずだ。

 

人と付き合うように、本と付き合う

本は、人間がその思想や精神を表現するために書いたものであるのだから、その文章には著者の人格の一部が投影されている。人間そのものではないにせよ、それに近い存在と見ていい。

だからこそ、本は悩みを相談できる友人にもなり、課題を共に解いてくれる仲間にもなる。人間だからだ。

 

次から次へと新しい本を買っては、1回だけ読んで終わり、そのくせ「あの本は読んだ」と言い放ってしまうような本との付き合い方は、人付き合いで例えると、どういうことになるだろう。

次から次へと新しい相手と知り合って、1回だけ遊んで終わり、そのくせ「あの人は友達だ」と公言する……こういうことになる。なんとも信用のならない相手だ。

 

1冊の本を1個の人格として扱おうとするのは、おかしな態度かもしれない。本は、ただのモノ、ただの道具だ、と。そのような見方が大勢を占めているように見える。

しかし、自分でも文章を書いてみるとわかるが、基本的に「ものを書く」というのは大変な労力を必要とする。時間も体力も集中力も、全て注ぎ込んで生まれるのが文章であり、その集大成として本が作られる。そこには、著者の「魂」のようなものが宿っていても不思議ではない。

「ものの中に命を見出す」というのは日本人的な感覚かもしれない。

 

また話が脱線してしまったが、今回はこれにて。

習い事に行ってきます。

 

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(180815W 加筆修正)

 

「買いすぎ問題」のその後

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(180826Sn リンクを追加)

 

*1:180815W

ヘッセは文学作品を念頭に、3回以上読むことを勧めた。一方、実用書の方面でも、佐藤優氏が「3回」を推奨している。「熟読法の要諦は、同じ本を3回読むことである」(佐藤優『読書の技法』p.63)

*2:180815W

「好奇心は人間の性の不安の表れであり、不安な心は何か珍しいこと、変ったことに対して愈々多くの好奇の眼をみはるのである。物を読むということは現代のインテリゲンチャにとって書くの如き意味のものとなりつつある」(三木清「講義録狂」)