どくどく記 〜読書と独学の記録〜

読んだ本の記録と、考えた事のアウトプット。

歴史を知ることは問題解決の「仮説づくり」に役立つ

  

現代の社会で起きている問題は、同時代を生きる我々の目には「これこそ新しい」と映ります。しかし、大抵の場合、現代の問題は真新しいものではなく、過去にも似たような事例が見られるものです。

一般に、人類にとって「完全に未知の問題」というのは、少ないように思われます。今から2000年以上も昔の書物にさえ、すでに「太陽の下、新しいものは何ひとつない」と書かれています。*1

例えば、国際経済の問題。「TPP」に関する議論は、主に19〜20世紀頃に活発に行われた「自由貿易と保護貿易の論争」が形を変えて継続しているものであると言えるでしょう。

あるいは、社会問題。私は寡聞にして存じませんが、「待機児童」や「非正規雇用」あるいは「高齢化社会」のような現代日本に特有と思われがちな問題も、おそらくは、過去の歴史の中に似たような事例を見つけることができるはずです。

 

ここで注意しなければならないのは、過去の事例の「単純なあてはめ」は通用しない、ということです。いくら過去に似たようなことがあったと言っても、当時の解決策をそのまま現代で行うことは適切ではないのです。

なぜなら、現代と過去とでは、様々な社会的条件が異なるからです。科学技術だって進歩しています。たとえ状況が「似ている」としても、「完全に同じ」ではないのですから、自ずと適切な解決策も違ってくるはずです。

 

では、どのようにして過去の類例に関する知識を、現代において役立てるのか。

それは「仮説づくり」においてです。

およそ、物事の解決策を考えていく場合、全く足がかりのない状態で取り組むことは困難です。そのため、まずは直観的なもので良いから「これが原因ではないか?」と“あたり”をつけ、その仮説が正しいかどうかを検証していく……という方法が取られることになります。

検証の過程で、問題の原因を正確に突き止めることができれば、あとはその原因を取り除けば良いのですから、解決策もわかる、ということになります。*2

この時、過去の似たような事例を知っていれば、「かつてはこれが原因だった。もしかすると、今起きている問題も、同じことが原因かもしれない」と“あたり”をつけることができます。

最終的に、その仮説が間違っていても良いのです。大事なのは、仮説を導入することによって、建設的に思考をスタートできる、ということです。

問題解決の第一歩となる「仮説形成のプロセス」において、過去の歴史に関する知識は役立ちます。

 

あとがき

最近、本を読んでばかりで書くことをしておらず、執筆能力が鈍っているなぁと感じました。そこで、まとまった文章を書くリハビリとして、とりあえず1000字程度のものを。

本当は、しっかりと「論証」にも力を入れ、論理的な構造を持った文章を書きたいところでしたが、思うようにはできず。まあ、完璧主義になって身動きが取れなくなるよりは、むしろ不完全なものを提出して、後から修正を加えていくほうが良いでしょう。

 

*1:旧約聖書「コヘレトの言葉」第1章9節

*2:もちろん、原因を取り除くことで生じる別の変化についても考慮する必要があります。ここでは、話を単純化して考えています。