どくどく記 〜読書と独学の記録〜

読んだ本の記録と、考えた事のアウトプット。

どくどく日誌(3月28日)

 

朝。昨晩遅かったので、少し寝過ごし、素読はお休み。長く継続するためには、サボりを適度に許容することがコツだと思う、少なくとも僕にとっては。

布団の中で、ストア派哲学について思いを巡らす。ストア派に限らずキリスト教など西洋の哲学思想全般に言えると思うが、発想の根幹に「イデア論」的なものがある。つまり、肉体の外部に精神・観念が実在する、という立場だ。これも僕には受け入れがたい。一方で「物は実在するが、我は実在しない」というブッダ仏教の世界観は受け入れられるし、納得できる。ただし、仏教は仏教でも「物さえも実在しない」と主張する大乗の空・唯識まで行きつくと、やはり21世紀現代人としての自分の肌感覚には合わなくなってくる。ブッダ仏教の方面を深めていくべきかもしれない。弟にもらった中村元『原始仏教』が未読だった。

西洋的な発想と仏教的な発想の違いについては、そういえば昨日読んでいた『世界史の新常識』でも触れられていた。その構図は、西洋中世末期の「普遍論争」の類似系にも見える。

 

電車内。疲れ気味なので読みやすいものを、と思い、10年ぶりの再読となる井筒俊彦『イスラーム文化』の「はじめに」を読む。カール・ポッパーの「文化的枠組」という概念について書かれていた。曰く、「それなくしては独自の文化として自己を保持することのできない構造的枠組」とのことであり、文化共同体に属する人々は、その外側で考え、感じ、行動することが不可能であるという。納得できる考え方だ。『異文化理解力』を読んだことを思い出す。

思うに、日本人は物質と精神を厳密に分けて考えることをしない。だから、唯物論的世界観と信仰心が両立する(そして人物と意見=iedaを厳密に区別できず、ゆえにディベートが苦手である)。一方、西洋は物質と精神を分けて考えるプラトン以来の長い伝統がある。この点は大きな「枠組」の違いだろうと思われる。

 

ところで、僕はおそらく唯物論の立場にたっているのだと思うが、同時に「氣」という神秘的なものの存在を信じてもいる。これらの信念は一見矛盾しそうだが、実際にはそうでもない。なぜなら、氣もまた物質的基礎を持つ現象の1つだと思っているからだ。つまり、唯物論の範疇で氣を説明できる。ただし、そのメカニズムは未解明、もしくは解明不能である。

そういえば、最近「人間も磁気を感じることができる」という実験結果が出たとかいうニュースを目にした。案外、氣の物質的基礎はそのあたりにあるのではないか。

氣については古今東西(東だけかな)いろいろな説があるだろうが、ここで僕が言うところの氣は想念によって操作可能である。何かを想えば、その想念が氣として実在するようになる。であれば、たとえば「我」という想念は「我の実在」を作り出しており、それが輪廻転生する、と考えることができるかもしれない。もしそうならば、無我を自覚した時、すなわち我を想念することをやめたとき、我の実在が消滅し、輪廻は終わり解脱に至る……まあ妄想である。

 

昼休み。セネカの続きを読む。ストア的な世界観はともかく、公私の両立については参考になる。

 

仕事の合間に、『イスラーム文化』を読み進める。イスラームに限らずセム系一神教に特徴的な、人格神、契約、預言者という要素、これらは感覚的にピンとこない。最後の審判については少しだけリアリティを感じるのだが、おそらく仏教的な極楽・地獄を想起しているだけだろう。

 

送別飲み会(今月7回目)に出る。「どろめ」という土佐名物を初めて食べたが、なかなか美味い。まあ正直、生しらすとの違いがよくわからなかったけれども。

 

帰路。本屋に立ち寄り、大岡昇平『ゴルフ 旅 酒』を買う。ゴルフは数年前に少しかじった程度だが、ぼちぼち再開したいと思っている。精神鍛錬に向くスポーツだと思う。本書は軽いエッセイなので、酔った頭でもすいすい進む。

そのほかにチェックした本は以下の通り。

  • 使える脳の鍛え方、C1:池谷裕二推薦ということで手に取った。学習の効率化について書かれた本だが、所有している本で概ね代替可能。
  • イスラーム思想を読み解く、A2
  • アラビア語表現とことんトレーニング、A3
  • 「書く」習慣で脳は本気になる、C1:「実現したいことを書いていると叶うよ」という、よくある自己啓発本の亜種。主張には賛同するし、こうしてブログを書くモチベーションも湧くが、本を買うほどではない。
  • イスラーム哲学の現像、A2
  • 〈問い〉の読書術、C1:量ではなく質を求める読書の勧め。蔵書で代替可能。
  • ビジネスパーソンのための易経入門、C1:易経は知っておきたいと思うが、そこに「実用性」を求めるのはアホくさいと思う。
  • 山岳信仰、C2

 

帰宅後は育児。

『岩波イスラーム辞典』で「イスマーイール派」などについて調べてみるが、酔いと眠気で頭に入らない。